こんにちは。関東エリアで給排水設備の施工・調整を行っている株式会社櫻庭設備です。
今回は、キッチンのシンク・手洗いの位置を変更した現場施工事例をご紹介します。

見た目はシンプルな配置変更でも、実際の現場では「勾配」「スペース」「構造物」など多くの制約を考慮する必要がありました。
本現場では、キッチンの手洗い場とシンクの位置を変更するというご依頼をいただきました。
配置を変えるだけに見えますが、排水は勾配を保たないと流れないため、「ただシンクを置くだけ」では済みません。
そのため、100分の1勾配(1mあたり1cmの傾き)を計算しながら、配管のルートを再設計する必要がありました。
100分の1勾配については、過去の記事もお読みください。
キッチンの壁側に鉄筋の構造体があるため、上手く排水管が通るように事前に設計しておく必要があります。
しかし、実際に施工をしていると「これでは通らないのではないか?」というようなケースもあります。
今回の現場では、下記写真のような四角い箱を設置する際に「もしかしたら入らないかも…」という懸念がありました。

こういった計算外の事態も、現場では少なくありません。
結果的に、施工方法を急遽変更し、対応できる方法で排水設備の通路を確保。
現場で都度判断をしながら、取り付けを無事に完了させました。
手洗い場では、従来の蛇口ではなくセンサー式の水栓を導入。
しかしこの設備は、壁の裏側にセンサー機器を設置するスペースが必要です。

そのため、見えない部分(壁の中・下部空間)の寸法や高さの調整も慎重に行います。
水の流れ・機器の配置・高さの整合性をすべて合わせて取り付ける必要があり、非常に繊細な施工となりました。
現場では、事前に想定していた材料や部材ではうまくいかないこともあります。
実際、今回も「このままでは取り付けできない」と判断した場面がありました。
その際はすぐに別の材料を取り寄せるなど、臨機応変に対応できる体制をとっています。
現場で完璧な条件がそろうことはほとんどありません。
だからこそ、その場で判断し、ベストな方法を探し出す力が求められるのです。
そして、これこそが私たちの仕事の面白味でもあります。