こんにちは。給排水設備を中心に関東エリアで事業を展開する株式会社櫻庭設備です。
今回は、私たちの主な仕事である排水管についてお伝えしていきます。
排水管がスムーズに水を流すためには、一定の傾き(勾配)をつけることが必須です。
その中でも代表的なのが「100分の1勾配」と呼ばれる傾斜角。
実際の現場ではこの勾配をどうやって確保しているのか、また、なぜこの角度が最適なのかについて解説していきます。
「100分の1勾配」とは、1メートル(100cm)進むごとに1cmだけ高さが下がる傾きのことです。
これによって排水が自然に下方向へと流れる仕組みをつくります。
数字で見ると非常にゆるやかに見えますが、排水においてはゆるやかな勾配が適正。
過剰な傾斜も逆効果になるため、100/1のバランスが広く採用されています。
「もっと急な勾配の方が、早く流れて良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、排水においては水と固形物が一緒に流れる必要があるため、傾斜が急すぎると水だけが先に流れ、ゴミや油脂が残ってしまうのです。
例えるなら、流しそうめん。
傾斜が急すぎると水が先に行き、そうめんが滑り落ちないのと同じです。
排水もまた、水の押す力で異物を一緒に運び出すために、ある程度のためと押し出しが必要になるのです。
100分の1勾配と聞くと、角度を測る専用工具が必要なようにも思えますが、実際は「1m進んだら高さを1cm下げる」という非常にシンプルな原理で施工されています。
職人は、基準となる高さを出し、そこから1mごとに1cmずつ勾配をつけていく方法を取ります。
勾配が急すぎると、排水の中の水分だけが先に流れ、残った油脂や異物が管内に堆積します。
これが長く続くと配管の中で詰まりが発生し、異臭や逆流の原因になります。
このような状態を「不良勾配(急すぎる勾配)」と呼び、流れが良さそうで実は流れを悪くしている代表例です。
一方で、勾配がゆるすぎる場合、水の流れが弱くなり、配管内に水が残ったままになってしまいます。
この残留水が汚れや異物と混ざってヘドロ状に固まり、排水詰まりの原因になります。
とくにキッチンや飲食店の排水では、油脂成分が溜まりやすく、短期間で流れが悪化するリスクがあります。
私たちの仕事は、排水管の清掃や取付のイメージがあるかと思います。
言葉のみを聞くとシンプルな仕事に思えるかもしれませんが、そこには一つひとつの深い技術があります。
ですから、体力仕事というよりは、頭脳を使う仕事かもしれません。
本記事で「面白そう!」と思っていただけた方はぜひ一度お越しください!