こんにちは。給排水設備を中心に関東エリアで事業を展開する株式会社櫻庭設備です。
今回は、ビルや施設のオーナー様向けに、「定期点検を後回しにしてしまった結果、現場で起きるリアルなトラブル」についてお話しします。
私たちのもとには、「水が使えなくなった」「トイレから異臭がする」「下から水が溢れてきた」など、緊急対応のご依頼が少なくありません。
その中には、本来であれば防げたはずのトラブルも数多く含まれています。
今回はその一例として、ビル設備における排水ポンプの故障リスクについて、実際の現場の流れとともにご紹介いたします。
戸建住宅などでは、排水はそのまま下水へと流れていきますが、ビルの場合は少し仕組みが異なります。
ビル内で使われた水、トイレやキッチンの排水は、いったんビルの地下のタンク(ピット)に溜められ、そこから排水用のポンプで下水道へと吸い出される仕組みになっています。
つまり、ポンプが止まれば排水ができず、ピットの中がどんどん水で満たされていきます。
最悪の場合、水があふれ、建物内に逆流してしまう可能性もあるのです。
排水用ポンプは、常に稼働して水を送り出す消耗品です。
長く使えば使うほど劣化し、いずれは必ず壊れます。
だからこそ必要なのが、定期点検とテスト運転です。
私たちの点検では、電圧の状態を確認したり、異音・振動の有無を見たり、ポンプの動作確認を行いながら、「そろそろ交換時期では?」というサインを見逃さないようにしています。
しかし残念ながら、こうした予防点検を「費用がかかるから」と後回しにしてしまうケースも存在します。
先日、あるビルオーナー様から「下から水が溢れてきている」というご連絡がありました。
確認したところ、排水ポンプが完全に停止しており、排水ピットが満水状態。
このままではテナント様にも影響が出るため、深夜の緊急対応で吸出し用の仮設ポンプを設置し、外部から強制的に排水する作業を実施しました。
当然ながら、夜間作業・緊急出動となるため費用も割増になります。
「もっと早く点検していれば、防げた事例の一つです。
「水が使えない、トイレが詰まる、悪臭がする」
こうした問題は、テナント様や入居者様にとって大きな不便であり、信頼にも関わる問題です。
ビルや施設では、何も起きていないときこそがチャンスです。
ぜひ、「異常が出る前の確認」をご検討ください。
ビル設備における排水ポンプの不具合は、防げるトラブルです。
壊れてからではなく、「壊れる前に見ておく」。
その意識が、快適なビル運営・入居者様への安心感につながります。
もし、定期点検の実施状況に不安がある方や、前回の点検から時間が経っているというオーナー様がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。